絵か彫刻

インスタレーションの要素を還元し、絵か彫刻として提示する。
取り出した要素には手を加えずに注意深く分析し整列する。 鳥や植物の世界認識への想像力を手がかりに、曖昧な、あたらしい自然の設計ルールにそって構成されたこれらの要素をべつの極から見ると、絵か彫刻かもしれなかった。
陶磁器製品やガラス製品などの既成品や植物や果実などの自然物を組み合わせた、複数点のオブジェがある。 多様な素材を人工物/自然物、機械生産/手工芸、具体物/抽象物、有機物/無機物など単純に二極化してとらえるのではなく、元の文脈や機能から切り離し、何らかのベクトルを持たない色彩/形態/質感のファウンド・オブジェクトとして扱いコラージュ/アッサンブラージュする。 それらは明確な目的を持たない純粋な標識、あるいは野生のストラクチャとも言えるだろう。
作品の完成形からの逆算とは無関係に色彩/形態/質感は選択が繰り返されることは理想的な絵や彫刻からは少し遠くあったが、一見、非合理的にも思えるこの方法はいままだ存在しない可能性を持った何かを作るための唯一の合理的な方法でもあるように思える。

象牙の海岸、鹿角の山、野牛の草

海岸に流れついた一角の角は1本だった。
角ではなく牙だったかもしれないが、兎に角、虹の色は2か3か5か7あるいは無色の虹色で、うら啼く夜の鳥からは蛍光色に充たされて溶けゆく魚がよく見える。
奇数の特例になった獏はうしろ脚だけルールに従うが、夢を食べない大陸の獏は野牛の草を、凍った林檎を食べるのか。
牛は海に帰ったが、蹄は隠して持っている。
連なる島島には連なる鳥の舞うところが11つ、牡丹か紅葉を反射する水晶山は13つ。
金色の丘山を溶かして食べてしまったら、鹿の角も落ちるころ。
土地が沈んで傾いてきたらもう一度、理想的な象牙色の塔を建てるしかない。
いつでも海からやってきて、海岸に流れついた象には牙が生えていた。
海象の牙は疑いなく牙だったが、それらが確かに象牙と呼ばれるべきなのか、いまはもう/まだ確かめる術がない。

罠のような餌場

いつか消える山(山はいつか消える)

家の鳥を捕まえる

小鳥が入るので「ドア」は必ず閉めてください

地図を書き換える

チャボは優雅にホースをまたぐ

合わせ鏡の裏側

砂糖が好きな砂糖鳥

誰も見ずとも鳥は飛ぶ
誰も見ずとも鳥は眠る

鳥、小鳥、鳥いるところ

cikap, cikappo, cikapuni

大きなモビール

植物が鳥が場の可能性を可視化する。

既製品を使うことについて、ギャラリーではない場所を展示場所として見立てることについて。
人工物、自然物問わず、与えられた環境(=一種の自然)としてとらえる。
わかりやすい土地の文脈を拾うのではなくその場所にすでにあるものごとを拾うことで無意識に反映される。

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