絵か彫刻

インスタレーションの要素を還元し、絵か彫刻として提示する。
取り出した要素には手を加えずに注意深く分析し整列する。 鳥や植物の世界認識への想像力を手がかりに、曖昧な、あたらしい自然の設計ルールにそって構成されたこれらの要素をべつの極から見ると、絵か彫刻かもしれなかった。
陶磁器製品やガラス製品などの既成品や植物や果実などの自然物を組み合わせた、複数点のオブジェがある。 多様な素材を人工物/自然物、機械生産/手工芸、具体物/抽象物、有機物/無機物など単純に二極化してとらえるのではなく、元の文脈や機能から切り離し、何らかのベクトルを持たない色彩/形態/質感のファウンド・オブジェクトとして扱いコラージュ/アッサンブラージュする。 それらは明確な目的を持たない純粋な標識、あるいは野生のストラクチャとも言えるだろう。
作品の完成形からの逆算とは無関係に色彩/形態/質感は選択が繰り返されることは理想的な絵や彫刻からは少し遠くあったが、一見、非合理的にも思えるこの方法はいままだ存在しない可能性を持った何かを作るための唯一の合理的な方法でもあるように思える。


2013, Text, Words